視線恐怖症(対人恐怖症)はどんな心理的要素が関係?対処方法は?


人に見られることに苦しみを感じ、時には罪悪感を感じることさえある視線恐怖症。

人間関係に息苦しさを感じているアダルトチルドレンの中にもこの問題を抱えている人がいます。

この問題は心理的要素が大きな原因となっています。

視線恐怖症を抱えている人の日常

日常の生活の中で人から見られるのは普通のことで、完全に人との関係を絶たない限り、それから逃れられる方法はありません。

しかし、視線恐怖症の問題を抱えているほとんどの人は、そこまで極端になることはなく、心に冷や汗をかいているのを知られまいとしながら、必死に日常で人と付き合っています。

彼らにとって外にいる時間は緊張の連続です。

道を歩いているとき、電車の中にいるとき、職場にいるとき、買い物をしているとき、遊んでいるとき、人と会話しているとき、そのすべてにおいて人の目線が自分に突き刺さっているかのように感じます。

逃れたいと思いながらも必死に耐えています。

ですから、家に帰ってくるとホッとすると同時に疲れがどっと押し寄せます。

人に見られていると思うと急に動きがぎこちなくなり、考えがまとまらず、何を話していいのかさえ分からなくなることもあります。

この問題がなければもっと人とうまく付き合っていけるのに、と恨めしく思うこともしょっちゅうです。

もっと自分を自由に表現できたらいいのに、という気持ちもあります。

心理的要素1:自分に自信がない

人に見られることに恐怖を感じるのはなぜでしょうか?

子どものころに受けた教育が関係していることが少なくありません。

もし親や周りの人から「お前はおかしい」と言われ続けて育ったとしたら、自分の行動や考えに自信を持てなくなるのは当然です。

存在を認められる感覚を身につけるべきその大事な時期に、けなされ、ぞんざいに扱われてきたとしたら、自分の存在価値そのものに自信が持てなくなります。

過去にいじめを受けた経験があるなら、それもトラウマとなり、人から見られることに苦痛を感じる感覚が助長されます。

こうした背景がもとで自分に自信がなくなり、人が自分を見るのは批判するためであら捜しをするためというイメージが深く心に刻み込まれてしまいます。

心理的要素2:心の中で相手の考えを決定

人から褒められることが少なかったり、人がなにか言うときはいつも自分を傷つける言葉だったりしたなら、人の言動を心の中で初めから悪い風に決定してしまう傾向が強くなります。

人が自分を見るのはなにか言いたいからだ、傷つけたいからだという先入観が人の目線に苦痛を感じる原因となります。

向こうから歩いてきているこれまで会ったことがない人が自分を見ていてもそのように感じてしまいます。

もしこうした考えに強く縛られるのを許し続けるなら人との関係は良くなりませんし、自分の言動を自分で限定してしまい、より窮屈な人間関係しか持てなくなってしまいます。

結果として、視線恐怖症というこの症状がより一層悪化していきます。

視線恐怖症の対処方法

人に見られるのが怖いと思っているのはあなただけではない

人に見られることを怖いと思っているのはあなただけではありません。

わたしたちの周りにいるほとんどの人が人から見られることに多かれ少なかれ恐れの気持ちを持っています。

自分だけこうなんだと思うと心細く感じますが、実はみんなも同じなんだと思うと心に少し余裕が出てきます。

人から見られて緊張しない人のほうがはるかに少ないのです。

「この人は自分を見ている」とあなたが思っているその人も実は「あなたから見られている」と思っているかもしれません。

清潔感を保ち身だしなみをきっちりしておく

髪の毛がぼさぼさで服装もだらしがないならそれだけで人の注目を浴びてしまいます。

周りから奇異な目で見られてしまいます。

一方、髪を整え服装も清潔な人は好意的な目で人から見られるでしょう。

ですから普段から身だしなみに気をつけておくと、その面での不安を消し去ることができます。

小ぎれいな服装をしていれば、道を歩いていても電車の中にいても職場にいても周りの人はほとんどあなたのことを気にしないか、あなたを見ていたとしても、それはあなたの雰囲気のよさに惹かれるからです。

ですから堂々としていましょう。

人のことを良く見るようにする

人は自分を悪く見ているという考えはあなたの言動に表われ、相手が実際にそう思っていなかったとしても、あなたが思っていたような行動を取るようになることがあります。

つまり知らず知らずのうちに相手をその方向へ誘導してしまっていることがあるのです。

結果、「やっぱり相手はそう思っていたんだ」ということになります。

この悪循環を断ち切るためには、まず考え方を根本から改める必要があります。

相手の悪い考えを想像するのではなく、相手の良いところに注目しましょう。

その人から学びたいと思うことを考えるようにするなら、その人の前で自然と顔のこわばりが取れ、優しい雰囲気で相手と話すことができるようになります。

視線恐怖症対処のまとめ

視線恐怖症は自分をどう思っているか、人をどう思っているかという思考の問題であることがほとんどです。

育ってきた環境や受けてきた心のキズを過去に戻って変えたり取り消したりすることはできません。

またそれが背景となって今の症状に苦しんでいることがあることも否定しません。

しかし、これからは今回取り上げたようなことに取り組むことによって思考を変え、新たな人生観を持つようにしていきましょう。

思考を変えることは確かに難しく一朝一夕にはいきませんし、立ち止まったり逆戻りすることもあります。

落ち込むこともしばしばです。

しかし、あきらめずに続けていくなら必ず成果が現われてきます。

以前の自分より人の目を気にしなくなった新しい自分に出会うことができるでしょう。


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