「自分はダメな人間だ」という考えがうつを引き起こす


うつになりやすい考え方というものがあります。

同じ場面や境遇に直面してもうつになりにくい人となりやすい人の違いは思考によります。

今回は、なぜ「自分はダメな人間だ」とつい思ってしまうのかを考えてみましょう。

「自分はダメな人間だ」という考えのルーツ

「自分はダメな人間だ」とつい思ってしまうその考えのルーツを突き止めてみましょう。

そのほとんどが子ども時代に原因があります。

常にけなされていた

子ども時代によくけなされていたなら、容易に「自分はダメな人間だ」と思い込んでしまいます。

親や兄弟から、または学友から何をしてもダメ出ししかされなかったという経験があるでしょうか。

そうした批判ばかり受ける経験が積み重なると、自分を卑下し、自分の存在を過小評価するようになります。

褒められたことがない

けなされることはあまりなかったとしても褒められたことがないという人は少なくありません。

自分がしたことを褒められない、特に親からの褒め言葉を受けてこなかったなら容易に自信を失います。

父親はこの点で非常に重要な役割を担っているのですが、仕事からの帰りが遅かったり家をよく空けていたりなどして、子どもとの交流時間がほとんどないなら、子どもは父親からの承認をもらえず、非常に心細い思いをして成長します。

これは子どもの対人関係にも大きな影響を与えます。

関心を向けられなかった

子ども時代、親の自分に対する関心が薄かった、親が自分以外の子どもに関心を払っていた場合なども「自分はダメな人間だ」という考えを持ちやすくなります。

子どもの心には「自分は関心を向けられるに値しない存在なんだ」という気持ちが植え込まれます。

このように自尊心が十分に育たない環境のもとで成長すると、大人になってからでも自分のやることに自信が持てず、自分に対するネガティブなイメージが定着してしまいます。

「自分はダメな人間だ」という考えに打ち勝つには

「自分はダメな人間だ」という考えに打ち勝つには、自分に対する考え方を180度転換しなければなりません。

これには意識的な努力が必要です。

自分を奮い立たせて、ネガティブな考えに身を委ねようとしてしまう自分に時として活を入れなければいけないこともあります。

何度も失敗したり引き戻されたりしますが、それでもあきらめないようにしましょう。

「自分はダメな人間だ」という考えには負けないという意思さえ捨てなければ、少しずつでも変化することができます。

自分は存在してもいい

たとえ周りからどんなにひどいことを言われてきたとしても、また今まさに言われているとしても、あなたは存在してもよいのです。

その存在を消そうとする必要はないのです。

「自分は存在してもいい人間なんだ」、この言葉を「自分はダメな人間だ」という考えが思い浮かんが時にすぐに言葉として出してみてください。

失敗をしてもそれは人生の一部にすぎない

もしかすると「自分の人生は終わった」と思うような失敗をしたかもしれません。

その後は生きる気力もなく、何をしても気持ちが入らないという状況かもしれません。

確かにその失敗はあなたに大きな打撃を与え、今でもそれに苦しんでいます。

しかしそれでも長い目で見れば、それは人生のほんの一部でしかないのです。

失敗をいつまでも考えてくよくよするより、ある意味失敗をなかったかのように忘れて前を見ることが大切です。

前を見続けるのが大変な時もありますが、それでもやはりそうしたほうが残りの人生のためには良いのです。

周りが気落ちさせるようなことを言うこともあります。

それはあなたを過去に引き戻す本当に辛いものです。

そこから立ち直るのには時間がかかります。

しかし、やはりどんなに時間がかかってもゆっくり立ち直り前を向いて歩いていこうと決意するなら、残りの人生は自分が思う以上に意味のあるものとなります。

日常のミスを人生の失敗と思わない

日常的なミスをして「自分の人生は何一ついいことがない」と思う人がたくさんいます。

これは”過度の一般化”といわれるもので、それ以上考えることをやめてしまう一種の思考ストップです。

人生をあきらめるのにはうってつけの言葉です。

しかし、この考えが浮かんだときに重要なのは「本当にそうだろうか?」と考えることなのです。

「何一ついいことがない」、本当にあなたの人生には「何一ついい」ことがなかったのでしょうか?

いいと思えることが本当に何もなかったでしょうか?

そんな人生は本当にあるでしょうか?

それを思い出すのには力がいりますが、思い出す努力をするなら「自分の人生にもいいことが少しはあった」と思えるようになるかもしれません。

毎日とは言わないまでも、一日の振り返りの中で自分にとって良かったと思えることをメモに書き留めておきましょう。

辛くなったとき、「自分の人生は何一ついいことがない」と思ったとき、そのメモを読み返すのです。

それは自分の人生を取り戻す助けになります。

かなりの力を与えてくれます。

ぜひ一度試してみてください。

すべての人に価値がある

いなくなってもよい人など一人もいません。

人それぞれに価値があり、貴重な存在なのです。

自分で自分の価値を低めないようにしましょう。


メンタル改善
記事を書いた人

認知症介護3年目。

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