機能不全家族で育ったアダルトチルドレンはいろいろなタイプがあり、その一つがヒーロータイプです。
ヒーロータイプが職場で抱えやすい悩みやトラブルを見てみましょう。
ヒーロータイプの特徴
ヒーロータイプは基本なんでもできてしまうタイプです。
家族の中で「出来る子」として育ち、機能不全家族のヒーロー的存在です。
家族を支え、家族を何とか助けようする「英雄」の役割です。
困難に立ち向かい、家族から信頼され、親の期待や理想に応えようと必死に頑張ります。
自分が何とかしなければという意識が強く、責任を背負い込みます。
期待に応えることに自分の価値を見い出し、それを生きがいとします。
常に自分以上の自分を目指し、失敗することを過度に恐れます。
「こうしてはいけない」「こうしなくてはいけない」という強迫的観念に基づいて行動することが多くあります。
仕事依存になりやすい
ヒーロータイプのアダルトチルドレンは基本的能力が高く仕事ができます。
責任感も強く人を引っ張る才能もあり、プロジェクトの中心人物として動くことができます。
人から期待されることが喜びであり、その期待に応えるためにプライベートの時間を犠牲にすることもいといません。
子どものころ、家族の中で得ていた”信頼”や”期待”など、自分がそれまで生きがいとしてきたものを社会の中でも同じように得ようとして出世に人生をかけようとする人もいます。
そのため、仕事一本槍の生活になりやすく、結婚しているなら家族との問題を抱えることが少なくありません。
パワハラをしやすい
ヒーロータイプは完璧主義の傾向が強く、与えられる仕事は一所懸命こなすため、頑張ろうとしない人や怠けている人を見ると我慢なりません。
そのため、このタイプが管理職になると結構厄介です。
仕事熱心なのはいいのですが、部下に対しても完璧を求めやすく、目標達成のためのプレッシャーをかけ、仕事ができない部下に対して容赦ないパワハラをする可能性があります。
人間関係が苦手
アダルトチルドレンは人間関係が苦手と言われます。
ヒーロータイプも例外ではなく、子どものころから「よく出来る子」という評判を受けていますが、その一方でそうした期待や評判が不安や緊張を与え、自分が周りとは違うことに違和感を感じて成長します。
自尊心が強く、自分が仕切ることのできる状況に安心感を覚えるため、人間関係は上下がはっきりしている関係を好み、自分で状況をコントロールできないフラットな人間関係は好きではありません。
ユーモアが苦手で、和やかな人間関係を築くことに困難を覚えます。
弱音を吐けない
これまでヒーローとしての役割を担ってきたので人前で弱音を吐くことができません。
リラックスすることも下手です。
自分を追い込み、動いていないと罪悪感さえ感じてしまいます。
そのため、既に限界を超えているのに我慢のしすぎである日突然燃えつきになったり、うつを発症したりします。
仕事で人にサポートを頼むことも躊躇します。
自分ひとりで何でもやってきたという自負があるからです。
これまで自分が人を支えてきたため、人から支えられることはあまりにも恥ずかしいことであり、それは「ヒーロー」として敗北を意味します。
失敗を恐れる
ヒーロータイプは完璧主義者であることが多いため、失敗を過度に恐れます。
能力は高く仕事はそつなくこなせるのですが、その裏ではいつか大きな失敗をするのではないか、みんなの期待に応えられなくなってしまうのではないかという不安やプレッシャーを抱えており、そうした気持ちが仕事依存を加速させてしまうことがあります。
本当に失敗すると立ち直れない人もおり、立ち直りにかなりの時間を要する人もいます。
ヒーローにならなくてもいい
ヒーロータイプは非常に頼もしい存在ですが、一人で頑張る姿は痛々しく、孤独であり、築ける人間関係は窮屈でしかありません。
ヒーロー役から降りて普通の人間に戻るなら、人生はもっと楽になり、自分の持つ能力をもっと効果的に活かせるようになります。
あなたは家族のヒーローでしたが社会ではヒーローを演じる必要はないのです。
常に完璧でなければならない、頼りにされなければ自分には価値がないと思わなくてもよいのです。
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