2017年下半期、転職マーケットは売り手市場が続きます。
このチャンスに、派遣で働いている方は中途採用の正社員を目指しましょう。
求人倍率から見る転職有利な売り手市場の業種・職種は?
ここ数年、どの業界も売り手市場が続き、求人倍率が高く、求職者にとって転職しやすい状況となっています。
売り手市場とは?
求人数が求職者数を上回っている状態が売り手市場であり、求人数が求職者数より少ないなら買い手市場です。
有効求人倍率とは?
よく聞く有効求人倍率とは何でしょうか?
これは、ハローワークに拠る数値で、ハローワークで仕事を探す人一人に対して求人が何件あるか、で算出されます。
厚生労働省発表(2017年7月28日まとめ)による、2017年6月時点の有効求人倍率は1.51倍、前月より0.02ポイント上昇しています。
1倍が基準となり、数値が大きいほど求職者一人あたりの求人が多いことを意味します。
1.51倍ということは、求職者一人あたり1.5社の求人があるということです。
ただ、ここで注意が必要なのは、この倍率にはハローワークが扱っていない求人やハローワークに登録していない求職者は含まれていません。
最近は、転職サイトや転職エージェントで求人情報を探す人も増えてきているので、有効求人倍率だけが唯一の指標とはなりません。
民間企業の転職エージェントも独自の求人倍率を算出しているので、それも参考にしましょう。
転職エージェントDODAが算出する求人倍率は?
転職業界第2位のエージェント会社であるDODA(デューダ)が、2017年7月末時点の求人倍率を出しています。
データは、この会社が保有する求人数とこの会社を利用した求職者数に拠るものです。
全体の求人倍率は2.31倍、つまりDODAでは、会社に登録されている求職者一人に対し2社以上の求人があります。
業種別・職種別に見るとどうでしょうか。
出典元:DODA求人倍率データ
業種別の求人倍率
業種 | 求人倍率 |
---|---|
IT・通信 | 5.49 |
メディア | 2.44 |
金融 | 1.63 |
メディカル | 2.49 |
メーカー | 1.65 |
商社・流通 | 0.85 |
小売・外食 | 0.87 |
サービス | 2.78 |
職種別の求人倍率
業種 | 求人倍率 |
---|---|
営業系 | 2.53 |
企画・管理系 | 1.56 |
技術系(IT・通信) | 6.94 |
技術系(電気・機械) | 4.07 |
技術系(メディカル) | 2.64 |
技術系(化学・食品) | 1.01 |
技術系(建築・土木) | 4.18 |
専門職 | 5.75 |
クリエイティブ系 | 2.13 |
販売・サービス系 | 0.96 |
事務・アシスタント系 | 0.22 |
DODAの求人倍率から分かること
業界別で見ると、商社・流通、小売・外食関係の業種以外は、ほぼどの業界も競争率が非常に厳しいとは言えない状況です。
IT業界は5.49倍という、逆に深刻とも言える人手不足状態が続いています。
職種別で見ても、技術系(IT・通信)の倍率が高く、エンジニアの人手不足は明らかです。
転職するならIT業界、ITエンジニアが一番有利です。
DODAによると、企業はIoTやAI導入に必要な知識や技術を持った人材を必要としている、とのことです。
技術系(建築・土木)や専門職の求人倍率も高くなっています。
DODAの報告によると、技術系(建築・土木)では、施行管理やプラントエンジニアの求人が、専門職では、ビジネスコンサルタントや不動産開発の求人が増加しています。
また、金融業界の生命保険会社においては営業職の採用が活発であり、営業事務の求人も増えているということです。
これらの分野での転職活動をDODAを通して進めるなら、有望な求人が見つかりやすいでしょう。
リクルートエージェントの求人倍率は?
業界最大手のリクルートエージェントも独自の求人倍率を出しています。
日本で一番求人数が多くかつ登録者数も多いため、信頼性の高いデータを算出しています。
2017年7月末時点での全体求人倍率は1.87倍です。
業界別求人倍率
業種 | 倍率 |
---|---|
IT通信 | 2.16 |
インターネット | 4.88 |
電気・電子・機械 | 1.51 |
化学 | 1.23 |
医薬・医療・バイオ | 1.09 |
消費財業界・総合商社 | 0.83 |
人材・教育 | 3.33 |
マスコミ・広告 | 1.17 |
コンサルティング | 5.50 |
金融 | 1.06 |
建設・不動産 | 3.17 |
外食・店舗型サービス | 1.39 |
職種別求人倍率
職種 | 倍率 | 職種 | 倍率 | |
---|---|---|---|---|
SE | 3.25 | 総務/広報 | 0.86 | |
インターネット専門職 (Webエンジニアを含む) | 5.74 | 人事 | 1.48 | |
組み込み/制御ソフトウエア 開発エンジニア | 4.60 | 経理/財務 | 1.33 | |
電気エンジニア | 2.41 | マーケティング | 1.29 | |
機械エンジニア | 2.78 | 経営企画/事業計画/ 業務企画 | 2.00 | |
化学エンジニア | 0.74 | 資材購買/物流/貿易 | 0.95 | |
メディカルエンジニア | 1.02 | 営業 | 1.68 | |
医療技術者 | 0.86 | 接客/販売/ 店長/コールセンター | 1.24 | |
食品エンジニア | 0.71 | 流通専門職 | 1.73 | |
建設エンジニア | 4.91 | 不動産専門職 | 3.02 | |
品質管理/品質保証/ 認証/品質分析 | 1.18 | 金融専門職 | 0.77 | |
生産管理/ 生産管理コンサルタント | 1.04 | オフィスワーク事務職 | 0.44 | |
法務/知財 | 1.66 | デザイナー | 1.49 | |
内部監査/内部統制 | 0.78 | 制作/編集/ライター | 0.70 |
リクルートエージェントの求人倍率から分かること
業種別では、コンサルティング、インターネット、教育、建設・不動産業界の倍率が高くなっています。
職種別では、インターネット専門職、建設エンジニア、組込/制御ソフトウエア開発エンジニア、SE、不動産専門職の求人倍率が高くなっています。
DODAと同じく、リクルートエージェントでも、IT・インターネット系エンジニア、建設系エンジニア、不動産関係を含むコンサルタントの仕事に多くの求人があることが分かります。
今の日本において、上記の業界・職種で多くの仕事があり、多くの人材が求められています。
エンジニアやコンサルタント以外に、経理・財務、マーケティング、企画、営業、接客・販売の職種も求人倍率が良い状態なので、これらの職種での経験があるなら、同業種のみならず、異業種への転職も視野に入れて動いてみましょう。
派遣から中途採用の正社員へ転職しやすいのは?
IT関係で、派遣社員として働いている方は大勢おられます。
求人倍率から見ても、インターネット業界は多くの求人があり、今後もより多くの人材が必要とされます。
派遣として働いている間に蓄えたスキルと経験を、今いる会社ではなく、自分をより高く買ってくれる会社に売り込んでみるのはどうでしょうか。
企業はいま、提案力のある人、自分から動くことができる人を歓迎しています。
スキルがあるというだけでなく、自分の技術や知識をその会社でどう活かせるかを具体的に提案できる人なら、大変重宝されるでしょう。
エンジニアは未経験というなら、スキルを身に付けられるセミナーを転職エージェントが開講しているので、それに参加してみましょう。
IT業界の企業は、エンジニア・デザイナーの仕事だけでなく、事業の拡大などに伴い、営業や経理、事務などの仕事も増えていきます。
それらの職種で、IT業界で働く意志があるなら、今がちょうどいいタイミングです。
転職活動には転職エージェントを利用する
退職してから職探しをするのは大変です。
転職エージェントを利用すれば、今の職場を辞めることなく、計画的に転職活動を進めることができます。
転職エージェントを利用すると、
- 履歴書や職務経歴書を企業ごとに書き分ける方法を指導してくれる
- 面接対策ができる
- 円満退職ができるようサポートしてくれる
- 年収や待遇交渉をしてくれる
- すべて利用しても完全無料
こうした利点があるため、利用できる人はどんどん使うべきです。
利用方法は、
- 会員登録
- キャリアアドバイザーと呼ばれる担当者からの連絡
- 面談を受ける
- 応募できる求人の紹介を受ける
- 求人に応募
という流れになります。
無料で利用できるので、2,3社登録しておくのがオススメです。
自分に合うキャリアアドバイザーを探す
転職活動の成功の秘訣は、どれだけ自分に合うキャリアアドバイザーに出会えるかです。
そのためには、担当者となったキャリアアドバイザーと相性が合わないと感じたら、遠慮せずに変更を申し出てください。
2,3社登録するのも、そういう意味があります。
担当者の中から、自分に合うキャリアアドバイザーを見つけ、サポートしてもらいましょう。
IT関係の転職ならワークポート
中堅の転職エージェントですが、IT関係なら大手よりも良質の案件を数多く扱っていることで有名です。
「ITならワークポート」と言われるくらい、IT関係に転職するなら、必ず登録しておきたいイチオシのエージェントです。
まったくの未経験でもスキルを積むことができます。
条件は20代・既卒ですが、無料のエンジニアスクールが開催されているので利用してみましょう。
受講終了後、企業の紹介をしてくれます。
求人の対象地域:全国
首都圏のIT関係ならギークリーでもOK
首都圏でのIT求人なら、ギークリーも使い勝手の良いエージェントです。
ギーグリーは特化型エージェントと言われ、10年以上にわたり、IT・WEB・ゲーム業界の企業に人材を紹介し続けています。
そのため、大手からベンチャーまで、様々な企業との強いつながりがあります。
求人情報も20代から50代と豊富に取り揃えており、求職者にベストなマッチングができるよう、親切丁寧なサポートをすると評判です。
転職活動は、キャリアアドバイザーの質が肝心と書きましたが、ギークリーでは、IT業界のコンサルタントとして3年以上の実績があるキャリアアドバイザーが担当者となるので、深い知識に基いたアドバイスを受けられます。
求人の対象地域:首都圏(東京都/神奈川県/埼玉県/千葉県)
ITエンジニア(プログラマ)ならTypeエージェントも利用可能
Typeエージェントは、20代~30代のITエンジニア向け求人が豊富に揃っています。
老舗ですが、大手のリクルートエージェントやDODAに比べて登録者が少ないため、きめ細かいサポートを受けられます。
企業からの信頼も高く、Type独占の求人も多数あります。
自分の条件が独占求人の応募内容に合えば、ライバルが非常に少ない求人に応募することができるので、内定をもらえる確率が格段に上がります。
求人の対象地域:首都圏(東京都/神奈川県/埼玉県/千葉県)
優良求人と質の高いサポートを望むならパソナキャリア
ITのみならず、あらゆる業種・職種に対応できる総合型のエージェントです。
特化型に加えて、一つ総合型に登録しておくと、バランスの取れた転職活動ができます。
パソナキャリアは求職者サイドに立った支援をしてくれる、と求職者からの評判が高く、顧客満足度96%の親身なサポートが売りです。
転職を強引に勧めることもなく、求職者のペースで転職活動を進めることができます。
求人内容の質も高く、独占求人も多数扱っています。
求人の対象地域:首都圏・中京圏・関西圏
より多くの求人がほしいならリクルートエージェントかDODA
サポートの質も大事だが、まずは求人量というならば、リクルートエージェントかDODAに登録です。
日本のあらゆる求人がこの2社に集まってきます。
2社とも総合型です。
キャリアアドバイザーの応対については、合う合わないがありますが、今どんな求人が出回っているのかを知っておきたいなら、登録しておくべきエージェントです。
二社両方を登録する必要はありません。
リクルートエージェントとDODAのどちらか、自分の感性に合いそうだと思うほうのエージェントに登録しましょう。
もちろん、両方登録したいというなら、それでも問題はありません。
DODA
求人の対象地域:全国
リクルートエージェント
求人の対象地域:全国
転職を成功させる
今、転職マーケットは売り手市場です。
派遣先の会社で、正社員になれる見込みはありますか?
その可能性が低いなら、自分のスキルと経験を正社員として使ってくれる会社で発揮してください。
お盆明けの8月後半から、転職活動を再開する人たちの動きが活発化します。
いい仕事はすぐ埋まってしまうので、他の人に遅れを取らないよう、早めに動きましょう。
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