俳優A氏が元妻に求めたルーティンがモラハラではないかと話題になっています。
彼のルーティンがなぜモラハラと言われてしまうのか、本当にモラハラに当たるのか検討してみましょう。
モラハラとは
モラハラとは言葉や態度によって精神的な追い込みをかけること、心に傷を負わせることです。
身体的な暴力とは異なり、見てすぐ分かるようなはっきりとした傷が残るわけではありません。
しかし見えない分、傷がどれだけ深いのか分かりづらく、加害者も自分がモラハラをしていたとは気付いていないこともあります。
モラハラ被害者に見られるもの
モラハラ被害者が妻である場合、次のようなことが見受けられます。
- 夫の前で自由な発言ができない、緊張してしまう
- 夫のことを思い出しただけで調子が悪くなる
- 夫がいる時といない時とでは振る舞いや表現の仕方が明らかに違う
- 夫が家にいないことが分かるとホッとする
- 夫がいない時でも、その言葉や態度が頭の中で反復され苦しむ
- 夫に対して愛情を持てない
夫に対してこのような反応があるなら、十分にモラハラの被害者と言えるでしょう。
モラハラ夫の特徴
では、モラハラ夫の特徴にはどんなものがあるでしょうか?
たとえば、
- 妻の言動が自分の意に沿わないと機嫌が悪くなる
- 妻の人格を攻撃する
- 妻を自分より低く見る
- 妻の言うことをまともに受け止めない
- 自分中心で妻を動かす
- 妻は夫のしたいことを言わなくても分かっているはずだと考えている
- 妻の感情に無頓着である
モラハラ夫は妻に対して本当の愛情を持っていません。
そのため、こうしたことができてしまいます。
俳優A氏の場合はどうか?
では、彼の場合はどうでしょうか?
彼の元妻が家から出ていったのは妻に求めていたルーティンが原因とされています。
最近、ある番組の中でそのルーティン11個が紹介されていましたので、ここで列挙してみましょう。
- 毎朝コップ1杯の水を用意
- 次に白湯を用意
- シャワー中にバスタオルと洋服を準備
- サラダを食べるときに7種類のドレッシングを用意
- 帰宅時に45℃のお風呂を沸かしておく
- 入浴中に洋服を洗濯機に入れカバンを部屋に運ぶ
- カバンから領収書を取り出してまとめて精算
その後、さらに追加されたものとして、
- 食事中は空いた食器を随時下げる
- 寝室の冷暖房はベッドに入る前に調整しておく
- ゴミ出しの後は除菌シートで手を拭く
- ボッーとして休んでいる時は話しかけないでほしい
などがありました。
もしあなたがA氏の妻であるなら、どうでしょうか?
どれはできてどれはできませんか?
俳優A氏のルーティン説明
番組ではルーティンの幾つかについて彼からの説明が加えられていました。
毎朝コップ1杯の水と白湯
朝起きてきてソファーに座ったタイミングでコップ1杯の水が出てきてほしいというのが彼の要望です。
これを実行するには、妻はいつも彼より先に起きていなければなりません。
起きた時、もしそれがないと態度で妻に圧力をかけるそうです。
あなたが彼の妻なら、毎日彼より先に起きてコップ1杯の水と白湯を出すことができるでしょうか?
個人的には、これは朝起きた時に自分でできることだと思いますがどうでしょう?
シャワー中にバスタオルと洋服
シャワーを浴びている時にバスタオルと洋服を準備しておいてほしいというのが彼の要望です。
なぜ自分で準備したくないのでしょうか?
サラダを食べるときに7種類のドレッシング
色んな味を楽しみたいという彼なりのこだわりで、一口ごとに味を変えたいそうです。
確かにこういう方も世の中にはいますね。
帰宅時に45℃のお風呂
彼は45℃のお風呂に一番風呂で入るのが理想です。
妻が先に入るのはNGのようで、まだ誰も入っていない水の表面がピンと張りつめている感じがお気に入りです。
妻が先に入ることは許さない、もしこれが本当に徹底されていたのなら妻にかなりの辛抱と忍耐を強いるものになったでしょう。
俳優A氏の特徴
これらのルーティンができていないなら、100回に1回くらいは怒ることがあったということです。
これらのルーティンから彼の特徴を推察すると、
- 誰かにかまってほしいという強い願望がある甘えたであること
- 自分の身の回りの世話をあれこれ焼いてくれることが自分への愛情と考えていて、誰かにそうしてもらいたいと強く思っていること
- 家の中はすべて自分の思い通りになってほしいという欲求があること
などが挙げられます。
幼いとも思える要求がルーティンに含まれていることから、誰かにかまってもらいたいという欲求がことのほか強いことが分かります。
彼は自分の心の中にある穴もしくは空洞を何とかして埋めたかったのではないでしょうか。
愛情を受けたい、自分のことだけを見てくれる人、世話してくれる人がそばにいてほしい、このような強い渇望がルーティンという形で表れたと思われます。
ルーティンは彼にとって愛されていることを確認する作業の一環だった可能性があります。
幼稚と思える要求から普通なら無理と思える要求まで、妻がそれを毎日せっせとしてくれることによって自分は愛されているという安心感を得ていたのではないでしょうか。
そしてその安心感を少しでも多く持ちたいため、愛されていることを色んな方法で実感したいため、ルーティンの数が徐々に増えていったと考えられます。
「僕を愛しているなら、これもしてほしい」と頼んだものもあったかもしれません。
妻がルーティンをこなせないと不安になった?
ルーティンが愛情の確認作業であったなら、妻がそのルーティンをこなせないとき、彼の心の中に強い不安感が生まれたであろうことは容易に想像できます。
自分は彼女からもう愛されていないんじゃないか、嫌われているんじゃないかという不安がよぎり、その不安からイライラしたり声を荒げたりしたこともあったかもしれません。
俳優A氏は「要求型」?
人は家庭環境によって「見捨てられ不安」という感情が強く育つことがあります。
そして、その不安を解消するために人に要求的になったり人を過度に束縛したりすることがあります。
彼はこの「見捨てられ不安」の感情があり、ルーティンの内容からして彼は自分の要求に相手が応えてくれることによって愛や愛情を確認する「要求型」と言われるタイプと推察されます。
要求型は変更や取消しを嫌う
ですから、彼はルーティンの変更や取消しをすることにかなりの抵抗を覚えたことでしょう。
妻からルーティンの変更や取り消しを求められても、つまりそれは彼女から受ける愛情が減ることや自分が受けたいと思っている愛情を受けられないことを意味するので、彼としては非常に受け入れにくい相談だったと思われます。
問題の原因は愛情の渇望?
こうした推察を裏付けるような発言を彼は番組の中でしています。
彼の説明によると、ルーティンのいくつかは彼女が自発的に始めたものもあり、それを受けたときに彼女の愛を感じたということです。
そしてその後、これもしてほしい、あれもしてほしいと要求が徐々に増えていったと語っています。
愛情に満たされたいという気持ちが要求という形で表れたと言えます。
「要求型」の一つの結末
当初は、元妻の彼女も彼の要求を満たそうと努力していたことでしょう。
しかしそれがとどまるところを知らずどんどん増えていったため、彼が渇望する愛情を注ぐことに疲れた彼女は最終的に離婚という道を選んだのではないでしょうか。
自分が満たされることを優先的に考えて相手の努力や苦労に理解を示さなかった場合、このような結末を迎えることがあります。
ルーティンをどう見るか
彼のルーティンを妻いじめや自分が相手より優位に立つことを目的としたものとしてではなく心の空洞を満たしたいという願いから出たものと見るとモラハラではなくなるでしょうか?
しかしルーティンの存在が彼女を精神的に追い詰めたことは事実であり、その要求に応えるために相当なプレッシャーを感じていたことは想像に難くありません。
ですから結果的にはモラハラの一面があるでしょう。
あなたは「要求型」?
俳優A氏のようにルーティンを作りたがる男性を見るとき、その要求の背後に何があるのかと推論すると一面だけでは収まり切らないさまざまな要素を考察できます。
では、あなたは要求型でしょうか?
自分で決めたルーティンが存在しますか?
もしそのルーティンが愛情の渇望の裏返しであるなら、ルーティンで確認する必要はないこと、妻から愛されていないんじゃないかと不安になる必要はないことを知ってください。
妻の毎日の言動があなたを慕っていることを証明していないでしょうか?
ルーティンという形で愛情を求めるのは規則的な愛、自己満足の愛であり、本当の愛情を妻からもらっていることにはなりません。
自分も満足できず、相手も疲れ果ててしまいます。
ルーティンという枠組みを打ち壊して初めて本当の愛情に触れることができるのです。
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