うつに苦しむ人の思考パターンとは?周りの人の正しい寄り添い方


人はうつになると思考が大きな影響を受け、考え方が悲観的・否定的・批判的になります。

うつになった人はどのような思考パターンになってしまうのでしょうか?

周りにいる人はどのように支え助けることができますか?

うつの思考

うつになると思考がどのようにマイナスになるか見てみましょう。

自分を卑下する

自分を卑下する気持ちが非常に強くなります。

人はある程度の自尊心や自己肯定感を持っていますが、うつを患うとそうしたものが一切なくなります。

たとえば、うつを患っていない人なら何か失敗したことがあっても「あぁ失敗しちゃったなぁ、今度頑張ろう」と気持ちの切り替えができます。

落ち込むことがあっても気持ちを立て直すことができます。

しかしうつ状態ではそうした切り替えができず、「自分は何もできないダメな人間だ」「自分はいないほうがましだ」と考えるようになります。

落ち込むと落ち続けます。

気持ちを立て直す力がありません。

悪いことをすべて自分のせいにする

日常生活で生じるあらゆるミスやアクシデントが一人だけのせいで起きることはありません。

たまたまタイミングが悪かったということもありますし、自分のせいではないトラブルも身の回りでよく起きます。

しかしうつを患うと、自分の身の回りで起きる悪いことはすべて自分のせいだと考えるようになります。

「自分がいるから問題が起きるんだ」と考え、「自分なんていなくなったほうがいい、そのほうがみんなのためだ」と思うようになります。

周りの人は自分を嫌っている

人間ですからすべての人と相性が合うとは限りません。

相性の合わない人もいます。

しかし同時に理解し支持してくれる人がいることも知っています。

たとえば10人いれば5人は自分を嫌っていても残りの5人は支持してくれると考えます。

しかしうつになるとこうした見方ができず、自分の周りにいる人すべてが敵になります。

それまでどんなに親しかった人でも信頼するのが難しくなります。

こうした物の考え方をするため、自然と人との交流を持たなくなります。

相手から言われた何気ない一言や態度に容易に傷つきます。

相手の行動を深読みしすぎて被害妄想が強くなったり逆恨みをすることもあります。

目の前が真っ暗になる

まさに目の前が真っ暗になります。

希望を持つことができず、明るい展望を思い描くことができません。

一筋の光も見ることができません。

今の状態から永久に抜け出せないと考えます。

状況は常に悪い方向にしか進まないと考え、最悪の結果だけが自分の身の上に起こると信じています。

うつの人とどう付き合えば支えられるか

このように、うつになった人は自分や人、これから先のことに対して悲観的・否定的・批判的な考えを持ってしまいます。

これはかなり強力な負のエネルギーです。

負のエネルギーを持った人と付き合うには付き合う側にもかなりのエネルギーが求められるので、大抵の人は徐々に彼らを避けるようになります。

周りの人のそうした対応は一種の防衛反応なので致し方ないところもあります。

しかしうつの人は何をしでかすか分からない人のようではありません。

確かに感情をコントロールできず厳しい言葉を発してしまうこともありますが、多くの場合そのあと彼らは一人で落ち込み自分で自分の感情をコントロールできないもどかしさに苦しんでいます。

そんな彼らが本当に求めているのは周りの人が示してくれる優しさと思いやりです。

会ったら必ず声をかける

うつになると、人は自分を嫌っていると考えてしまうので自分から近づくことができません。

ですから周りの人ができる非常に簡単かつ効果的なことがあいさつです。

友好的なあいさつを会う度にしてあげてください。

あいさつをしても向こうから気持ちのよいあいさつが返ってこないこともしばしばです。

しかし「あいさつしてもあいさつを返さない、付き合うのアホらし」とは思わないようにしてください。

心では感謝しています。

今はまだそれに反応できないだけなのです。

相手の反応を期待せず、あいさつを続けるならその人の心は徐々にほぐれていきます。

次第にあなたのことを信頼できる友人とみなすようになるでしょう。

あいさつを続けることはかなりの努力と辛抱が必要ですが、そうするだけの価値があります。

助けてほしいと思っている人に手を差し伸べ続けたあなたは、あなたを信頼する友人を一人見つけたことになるのです。

あいさつは本当に簡単なことですが非常に強力な力があります。

励ましよりも褒め言葉

うつを患っている人は自分には何の存在価値もないと本気で思っています。

そんな自己肯定感を失っている彼らにかける言葉はほめ言葉です。

「君はできる」とか「もっと頑張ろう」という言葉はプレッシャーを与えるだけです。

うつの人を支えるにはその人がしていないことにではなく、今していることや既にできていることに着目してください。

それがどんなに小さなことでも心からほめるようにしてください。

本人は「こんなことはほかの人もできる」と考え、自分を卑下します。

確かにほかの人もしていることかもしれませんが、「うつというつらい状況にいるあなたがしているから価値があるんだ」と言ってあげてください。

それはその人の心の重しを取り除くのに役立ちます。

自己否定感がある人は人から認めてもらうことがどうしても必要です。

それで、どうぞ今できていることをほめ認めてあげてください。

これを繰り返すなら、少しずつ回復に向かっていきます。

まとめ

今回は2つの点を取り上げました。

  • あいさつする
  • ほめる認める

これらを1回や2回でやめるのではなく根気強く続けてください。

うつとの闘いは非常に孤独です。

しかし周りの人のサポートがあれば闘い続けるだけの力を保てます。

どうぞ、あなたもそのサポーターになってあげてください。

一人でも多くの人がうつと闘っている人に対して思いやりを持って接していただければと願います。

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