仕事が忙しても子どもに行動の良し悪しを教えないなら機能不全家族になってしまう


アダルトチルドレンの最大の難題は人との付き合い方と言っても過言ではありません。

歪みのある家庭環境によって形成された自分の人格特性に自信が持てず、常に違和感を感じながら人と接しています。

自分は他の人とどこか違うと感じながらもそれが何なのかよく分からないというジレンマと抱えながら成長します。

それが分からないのも当然です。その原因が生まれてからずっと自分のその中で育ってきた家族にあるのですから。

自分の家族を客観的に外から見れない状況で家族に問題があると気づくことはなかなかできません。

しかし心の中では家族に対する不満を感じ、何とかして自分の状況を打破したいと考えています。

機能不全家族とは

人とのコミュニケーションを上手に取ることができない、自分は他の人とどこか違うと感じを持ちながら成長する、自分のすることに自信が持てない、こうした子どもを作り出す家族を機能不全家族と呼ぶことが少なくありません。

今では毒親という言葉で表現されることが多いですが、この言葉のイメージから子どもを自分の支配下に置こうとする親、子どもに暴言を吐く親を思い浮かべがちですが、実際にはそうでない親も少なくありません。

道徳観を教えない親も毒親の一種

ではどんな親も機能不全家族の親になるのかというと、それは道徳的な指針を子どもに与えない親です。

物事の善し悪しを教えない親、子どもが間違っていても矯正しない親、人生の指針となる信念を教えない親、これらも育児放棄の親として毒親に含まれます。

子どもは衣食住以外に心の拠り所となる指針を必要としています。それがないと子どもは自信を持てません。常にドギマギして人の目を気にするようになります。

自分が本当に正しいことをしているのか、正しいことを言っているのか、子どもは自分の意見や行動を親から評価・肯定してもらうことが必要です。親から教えられて始めて分かるのです。

親から肯定されたことを子どもは自信をもって行なえます。またしてはいけないことがあるならその理由をきちんと教えられるならそれも素直に受け入れます。そうやって子どもの心に正邪の基準が形成されていくのです。

子どもは親から指導を受けたいと本能的に思っているのでそれが与えられると安心します。

ですから親が子どもに与えることができる最大の贈り物は行動の良し悪しを教えることです。

なぜ子どもに教えることができないのか

しかし、多くの親が子どもに行動の良し悪しを教えようとしません。

実は教えたくても教える自信がないのです。

なぜでしょうか?

それはそんな親自身も子ども時代、親から道徳観を教えられずに育ってきたというケースが少なくないからです。

ですから、自分が教える側に立ったとき、子どもに何を教えたらよいのか分からないのです。

この場合、親自身が自分のため、また子どもの将来のためにもう一度自分を教え直すことが必要です。

自分を教える時間を作る

書店にいくと子育てに関する本が所狭しと置かれています。

ネットにも情報が氾濫していますが、子どもを教える前にまず自分を教えることが必要です。

これは先延ばしにできない急務の問題です。

自分が教えなくても子どもは正しいことを学んでいくと考えてはいけません。

行動の良し悪しを自分がまず学んで、それを子どもに伝えていく、そうすることによって子どもは自信をもって自分の人生を歩いていくことができます。

子育ては子どもを教えることだけに気持ちを向けてはいけません。自分の心を養う時間を持ってください。

それができるようになると、自分の心に培った正しい価値観を伝えたいという気持ちが出てきますし、より自信をもって子どもと向き合うことができるようになります。

親が子どもに正しい基準を教える時間は、親にとっても子どもにとっても最高の時間になります。

家庭
記事を書いた人

認知症介護3年目。

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