派遣社員として働く場合、派遣会社に登録しなければなりません。
派遣会社は労働者を企業に派遣し、その報酬を受け取ります。
あなたが働いた労働報酬の何%かを自分の”収入”として差し引き、残り額をあなたに渡します。
それをマージンといいますが、みなさんはご自分が登録している派遣会社がどれくらいのマージンを取っているかをご存知でしょうか?
派遣会社がマージンを取るのはなぜ?
派遣会社がマージンを取るのはなぜでしょうか?
マージンに含まれているものには、
- 健康保険、厚生年金、雇用保険、労働保険などの社会保険料
- 派遣社員の教育費
- 有給休暇費
- 健康診断費
- 事業運営に必要な活動費
- 営業利益
などです。
社会保険料は派遣労働者自身も払っていますが、それと同等額を会社側も支払っています。
会社を運営したり、労働者を管理・教育するためには費用がかかります。
それらの費用を派遣先が支払うお金の中からいくらか取り分け、支払いをしています。
マージンを取られるというと、何かピンはねされている感じでいい気持ちはしませんが、会社側の経費として必要なものです。
ただし、会社がどれだけのマージンを取っているのかは明確にされなければなりません。
マージン率
派遣会社が企業から受け取ったお金の何%を自分たちの”収入”として取り分けているかを示すのがマージン率です。
次の計算式で計算できます。
マージン率 = (派遣料金ー派遣賃金) ÷ 派遣料金
派遣料金:派遣先が派遣会社に支払う料金(派遣会社が受け取る額)
派遣賃金:派遣会社が労働者に支払う料金(派遣会社が支払う額)
※これらは会社全体の平均額です。
マージン率が高ければ、派遣会社が派遣料金から差し引く金額がそれだけ多いことを意味します。
マージン率開示は義務
厚生労働省は、派遣会社がマージン率をWEB上で提示することを義務化しています。
公開開示していないなら法律を遵守していない会社ということになります。
開示するマージン率は、その派遣会社全体の平均値のため、労働者個人のマージン率を厳密に表わしているわけではありません。
しかし、この数値を見ると、派遣会社がどれだけ取っているかが大体分かります。
平均は30%ほどですが、高いところでは50%を超えています。
50%を超えるということは、労働者が受け取る賃金の倍以上を派遣先は支払っているのに、その半分以上は派遣会社が取っていることになります。
ここで注意が一点。
50%超えは明らかに取りすぎですが、マージン率が高い=悪徳派遣会社というわけではありません。
その分、福利厚生や研修が充実していることがあります。
その反対も然り。
マージン率が低い=優良派遣会社ではありません。
労働者への世話が行き届いていないことがあります。
マージン率に見合う教育や福利厚生があるかがポイントです。
マージン率は平均30%前後と見て差し支えありません。
登録している派遣会社のホームページを確認してください。
派遣登録先を変える前にマージン率を知る
新たな職場で仕事を始めるとき、派遣会社は労働者に派遣料金(派遣先が派遣会社に支払う料金)の提示をしなければなりません。
また派遣料金額が変更になったときにも、それを労働者に通知する責任があります。
派遣料金を提示する方法は二通りあり、一つは派遣労働者本人の派遣料金、もう一つは派遣労働者が所属する事業所における派遣料金の平均額(1人あたり)です。
ほとんどの派遣会社は、後者を採用しています。
それで自分に支払われている派遣料金が一体どれだけあるのかを知りたいなら、派遣会社に直接聞くしかありません。
回答を得られれば、自分のマージン率が高いのか低いのかが分かります。
もしその数字が40%を超えて50%に近いなら、派遣会社にピンはねされていることになります。
速攻辞めたほうがいいでしょう。
回答が得られないなら、なぜ開示したくないのか?を考える必要があります。
多くの派遣労働者が、なかなか時給が上がらないと嘆いています。
すでに何年も働いているのに一向に時給が上がっていないなら、一度聞いてみることをおすすめします。
以下に、WEB上でマージン率を公開している代表的な派遣会社を紹介します。
リクルートスタッフィング
業界大手のリクルートが運営しています。
全国各所にある支店ごとのマージン率を公開しています。
一例を上げると、銀座本社のマージン率は26.8%でした。
他の営業所も26%~30%の間です。
リクルートスタッフィングの求人情報は、主に事務処理関係の仕事です。
ビジネスマナー研修やOA研修などが無料で利用できます。
事務関係のお仕事をしたい方は、ここに登録することをおすすめします。
ジャスネットキャリア
経理関係の仕事に特化した派遣求人です。
マージン率は30.01%(2016年6月時点)。
主に首都圏での求人案件を取り扱っています。
メディカルリソース
東証一部上場企業日本調剤の子会社が行なっている薬剤師派遣です。
全国各地に営業所があり、マージン率は35%~44%の間です。
マージン率は高いのですが、以下のような教育制度を実施しています。
(ホームページからの抜粋)
- 調剤テキストの提供:実務で役立つ調剤テキストを無料で提供。医療保険制度や調剤報酬の仕組みから、処方箋の読み方、過誤防止のための注意点、服薬指導時のポイントまでを含む幅広い構成。
- ファーマシーセミナー:就業期間中、認定薬剤師の単位対象研修会となっている日本薬局学会主催のファーマシーセミナーに無料で参加可能。新薬や最新の治療方法の講習を受けられる。
- JP Learning (JPラーニング):インターネットを使って調剤について学べるe-ラーニングコース。薬剤師の基礎知識、OTC、薬剤分類、危険度の高い医薬品、病気と薬剤、警告事項、禁忌事項、向精神薬などが学べる。
- ファルマスタッフDI室:派遣就業中、薬に関する疑問にファルマスタッフ担当者がメールで回答してくれる。
一日あたりの派遣賃金(派遣会社が労働者に支払う料金)は、8時間勤務で21,000円~30,000円です。
職場環境をコンサルタントが視察しています。
そのため、デメリットの部分もしっかり把握しており、派遣労働者が安心して就業できるように努めています。
全国各地の案件が毎日更新されています。
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