年上が年下に対してよく使う言葉に「若いんだから・・・」「若いからね・・・」があります。気をつけないと、これはエイジハラスメントにあたることがあります。
若いんだからハラスメントはなぜ起こる?
エイジハラスメントの一つである、若いんだからハラスメントはなぜ起こるのでしょうか?幾つかの要因があります。
仕事ができない・知識がない・経験がないと思われている
よくある場面として、取引先に若手が話し合いに向かうと、相手先から「もっと話の分かる人を連れて来て。」と言われます。経験がない、知識がない、話し合いにならない、と勝手に決めつけられると結構腹が立ちますね。
ほかにも、社内で仕事を頼まれそうなときに「あ、ごめん。あなたゆとりだったよね。」と言われることもあります。ゆとり=仕事ができないと勝手に思われています。こうした先入観がハラスメントを引き起こします。
生意気だと思われている
元気に振るまっているだけで生意気だと思われてしまうことがあります。違う意見を出すと歯向かっていると見られます。古い体質の上司であれば、若手は上の言うことを聞いていればそれでいいと考えている場合もあります。
こうした職場環境にいると、若手にとってはかなりストレスが溜まるでしょう。もっと風通しの良い職場に移りたいと思っても不思議ではありません。
若手は頑張るべきだと思われている
「若いんだからもっと働け。」「弱音を吐く前に根性見せろ。」
飲みに付き合わされると、「昔は大変だった、いまの若いやつはまだまだ。もっとやれるはずだ。」とゲキを飛ばされます。熱いのはいいのですが、自分がしてきたことがすべて正しい。それに倣え。という前提で話が進むので、若い人はついていくのが大変です。
ねたまれている
特に女性の間で起きる問題かもしれません。年配の女性が若さを妬み、いろいろ言ってきます。若さをやっかむこともあれば、若いんだから動いてちょうだいと言わんばかりの態度に出ることもあります。
妬むのではなく年齢に伴う経験や智慧、親切や穏やかさを全面に出せば、若い人からも尊敬されるのですが、見た目を重視しすぎたり、尊大な態度を取ったりすると、若い人から煙たがられます。
若いからね、に上手に対応する方法
ほとんどの人が、何か言われたら言い返せばいいと思っています。もちろん、大抵それを実行に移すことはないでしょう。しかし、心の中ではそうしています。ただ言い返しをしても(文字通りではなくても)、事態はよくなることはありません。
現実を受け入れる
まず現実を受け入れることが必要です。年配の中には、若い人を年齢で判断して頼りないと思う人がいることを認めましょう。
「もっと話の分かる人を連れて来て。」と言われたら、「分かりました。そうさせていただきます。でも、一つだけご説明させていただいてもよろしいでしょうか。5分とかかりません。」と言えるかもしれません。
年齢差別を受けているとしても、それに怒っている感じを出さない受け答えができるなら、相手は口には出さないとしても、あなたのことを見直す可能性が高いでしょう。
逆に、「自分でも説明できる」という雰囲気を強く出すと、話し合いを続けることは難しくなります。相手に自分の未熟さを露呈することになります。精神の成熟した人は相手から見下げられても、それをすぐに怒ったりしません。
謙虚さを持つ
謙虚になることは決して若手だけでなくすべての人が持つべきですが、若い人は特にこの資質を持つことをおすすめします。何も知らないから謙虚になるのではなく、たとえ知識やスキル、能力があっても謙虚であることが人間関係を良くする秘訣です。
謙虚な人は、ほかの人から高く評価されます。謙虚であるとは何も口にしないということではありません。自分の意見を言うべきときはハッキリと伝えます。
ただ「謙虚な人」という評判がある人は、自分の意見を話すとき、たとえ相手と異なる意見を言ったとしても楯突いているとは思われず、かえってその意見に耳を向けてもらえるでしょう。
どんな評判を得ているかはとても大切です。
若さを仕事に使う
若いときは体力があります。もちろん個人差はありますが、それでも4,50代に比べれば回復力も早く、集中力もあり持続力もあります。その若さを自分に割り振られた仕事に存分に使いましょう。そうすることによって経験を積み、智慧を蓄えていくことができます。
誠実な取り組みは、周りの人からの高い評価につながります。すべての人が正当に評価してくれるわけではありませんが、それをしっかり見てくれている人がいます。時を経て、その努力は報われるでしょう。
賢くなる
若い人は常識がない、と思われてしまいがちです。この偏見を取り除くのは自分の行動しかありません。一般的な常識と思われていることは、しっかり勉強しておきましょう。分からないことがあれば調べ、ほかの人に尋ねましょう。
それでも「こんなことも知らないの?」と言われることがあります。そのときは素直に「すみません、勉強不足でした。今後気を付けます。」とか「申し訳ありません。わたしが分かるように教えてもらえないでしょうか。」と言えるようになれば、相手はあなたに敬意を持つようになるでしょう。
バカにされると思わないようにしてください。知らなかったことを正直に認める人に敬意を持つ人は少なからずいます。大事なのは、自分が知らなかったことに対してどんな態度を取るかです。
確かにバカにされるのは気持ちのいいものではありませんが、それは相手の問題です。そんな人のことは気にしないことです。あと数年もすれば、その人自身が自分のしてきたことのしっぺ返しを食らい、恥ずかしい思いをするでしょう。
そんな人の言動に振り回されるのではなく賢く行動しましょう。その行動があなたの評価を高め、あなたを成功へと導くのです。若いんだから、若いくせに、若いのに、こうしたハラスメントに負けずに、今の若いときを存分に楽しんでください。
エイジハラスメントまとめ
若い世代の力と年配の経験がうまい具合に融合すれば、思いもよらない成果を上げることができます。年配の人もそのことを理解して、お互いの一番良いところを引き出しあえればいいですね。
若いからハラスメントが続いているなら
ハラスメントがなかなか止まないなら、それを証拠として記録する必要があります。録音や録画するのが一番いい方法です。
コメント
(あなたはお若いから…)デイで会うたびに言う年配者が居ます。確かに私はその人に限らず他の利用者より20くらい若いですが、その人以外は言いません。その人は自分の過去の自慢とか愚痴しか言わないです。DVを思い出すのでできるだけ接しないようにスタッフにも頼んで居ます。他の点はいいのでデイはやめたくないのです。年の人にはもう何も言っても効かないのですかね?(あなたはお年だから)は喧嘩になるし。
お読みくださりありがとうございます。
年配の方の扱いというのはやはり難しいですね。その人なりのこだわりがあるとでも言えばいいのでしょうか。ここにでてくる年配の方がどのような気持ちでそう言われるのか詳しくは分かりませんが、2つほどの可能性を考えてみました。一つは「上から目線」。自分が歳上であることを強調したいというケースです。もう一つは「羨ましい」という感情。自分は年を取っているがながともさんはまだまだ若くてできることがたくさんある、羨ましい、それに比べて私はというケースです。どちらのケースでも心の根底によくあるのは自分の存在価値に対する評価の低さや寂しさです。年を取るとどんどん周りから取り残されていく疎外感や周りについていけないことから来る自己卑下感と闘わないといけないときがあります。このような時、周りの人ができることに、その経験から学びたいという態度を示すことやその方の存在価値を高く評価していることを言葉で繰り返し表現して安心させるなどがあります。もちろん、自分の背景ゆえにそうやって近づくのが容易な人と難しい人がいますので、無理にそうする必要はありません。自分はできるかもと思える人がすればいいだけです。ですからわたしがここで申し上げたことは決してながともさんに強制していることではありませんので、もしそうするのが難しいとしても心を痛めないでください。ながともさんはすでにその方に対して十分の親切を示してこられたでしょう。年配の方をお世話するという仕事は本当に尊い仕事です。どうぞこれからもその優しい心を持ってながともさんの助けに感謝してくれる方たちの支えになってあげてください。貴重なコメントを残してくださりありがとうございました。