4月に入り、新入社員の方は新しい生活が始まります。
いろいろな人生設計を思い描いているかと思いますが、と同時に会社の中でパワハラに遭う可能性も気にしていることでしょう。
パワハラとは何か、何がパワハラに当たるのか、パワハラに遭ったらどうすればいいか、そのあたりのことをまとめていますので参考にしてください。
業務上命令とは?
業務上命令とは何でしょうか?
それは、会社内で命令を与える権限を持つ者が自分の管理下にある者に対して行なう業務上の命令のことで、正当な理由もないのに命令に従うことを拒むなら就業規則等により何らかの制裁の対象となるものです。
会社が組織として目的を達成していく上で、上司からの業務上命令があるのは当たり前のことです。
それをカン違いして、自分の気に障ること、自分がしたくないことすべてがパワハラに当たると思っている人が少なからずいますので、そうではないことを改めて肝に銘じておきましょう。
例えば、ある新入社員は寝坊して事前連絡もせずに10時に出社してきたために上司から注意を受けました。それに腹を立てた新入社員はこれをパワハラとしてSNSに流したとします。
これは本当にパワハラになるでしょうか?
上司が突然烈火のごとく怒り出したとしたら問題もあると思いますが、普通になぜ事前に連絡してこなかったのか、これからは気をつけるようにということを注意しただけだとしたら、これはパワハラでも何でもなく、新入社員が当然受けるべき指摘となります。
ですから、業務上指摘されないといけないことや矯正されないといけないことがあることを忘れないようにしましょう。
もちろん、業務上命令も決して絶対的なものではなく、それ自体も労働協定などにより制約を受けます。
それを無視した命令や常識的に考えて無理がある要求などがパワハラに当たります。
業務上パワハラに当たるもの
厚生労働省が定義しているパワハラの形態をもとにすると、業務上パワハラに当たる行為は以下のようなものです。
身体的危害が関係するもの
- 足で蹴られたり、持っている資料や手で叩かれる
- ゴミを投げつけられる
- 髪やネクタイを引っ張られる
- 謝罪を強要される
プライバシーの侵害が関係するもの
- 自分がいないときに、勝手にカバンや机の中を物色される
- 仕事を休んだり早退願いをしたときに、必要以上に理由を追求される
- 体調不良を訴えても応じてもらえない
- 友人関係や恋愛についてしつこく聞かれる
- 家族の悪口を言われる
- スマホを勝手に見られる
精神的危害が関係するもの
- 同僚の前でバカ呼ばわりされる
- ミスを大声で怒鳴られる
- 「お前なんかいないほうがマシ」「月給泥棒」などと言われる
- 就業規則等の書き写しを不当に強要される
- 不安を煽る言葉で叱責される(クビになっても知らないよ、この仕事はいつやめてもらっても構わないなど)
人間関係が関係するもの
- 別室での一人作業を命令される
- 他の社員との共同作業や交流を禁じられる
- 悪い噂を流される
- 挨拶してもシカトされる
- 会話に入れてもらえない
適正でない要求・評価が関係するもの
- 帰宅直前に大量の仕事を言いつけられる
- 一人ではできない仕事量を言いつけられる
- 自分の業務と関係のない仕事を毎回言いつけられる
- 自分ひとりだけ他の社員と違う服を着せられる
- 出勤しても仕事を与えてもらえない
- 他人のミスを尻拭いさせられる
- 大きなミスをしたことがないのに、いつも最低評価である
- 社内コンペティションに応募しても、上司に「採用されることはないから」と言われる
新入社員がパワハラに遭ったら
せっかく新生活を始めたのにパワハラを受ける対象になったとすれば、それは大きなストレスとなるでしょう。
これからの人生に対しても不安を感じてしまいます。
自分がパワハラを受けているかどうか本人は分かっていないことも多いので、もし「最近おかしいよ」と周りから言われるようになったら、今どんな仕事をしているか、会社での人間関係はどんなものかを正直に話すようにしましょう。
第三者の目から判断してもらうのも大事なことです。
仕事が忙しいからとか上司が厳しいからとか言って、その言葉に耳を貸そうとしないなら、いつかパンクしてしまいます。
そうなってからだと回復するのにも多くの時間がかかりますので、早め早めの対処をしましょう。
もし自分は明らかにパワハラを受けているなと感じるなら、会社の相談窓口や労働基準監督署の専門窓口に相談しましょう。
厚生労働省の総合労働相談コーナーに関するリンクを張っておきます。
またいま働いている会社が本当にブラックであるなら、そこにずるずるといるのはやめて、さっさと転職して新しい仕事を見つけましょう。
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