インナーチャイルドという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これは「内なる子ども」と訳されます。
自分の中にいる子どもということですが、これが十分に成長していないと人を攻撃する傾向が強くなる場合があります。
インナーチャイルドとは?
私たちすべては、インナーチャイルド(内なる子ども)を持っています。
内なる子どもはその人そのものであり、その人の本来の姿です。
私たち各人は、この子どもを時間をかけてしっかり育てる必要があります。
インナーチャイルドは本来感受性が強く、好奇心が旺盛で、自然を楽しみ、満足する心を持っています。
猜疑心を持たず人を信頼し、人の助けになることを喜びます。
あなたの中にいるインナーチャイルドは、どんな子どもでしょうか?
みんなが同じインナーチャイルドではない
自分の中にいるインナーチャイルド、つまり真の自分を表現できるとき、人は自由を感じ充足感に満ち足ります。
しかしこの内なる子どもが十分育っていないと、人は本来の自分を他人に見せないように画策します。
これはインナーチャイルドが成長する過程と深く関係があります。
本当の自分を見せないようにする
愛され、認められ、褒められてきたインナーチャイルドは正常な成長を果たします。
疎まれ、批判され、けなされてきたインナーチャイルドは正常な成長を阻まれます。
そのため私たちの内に存在しているインナーチャイルドは、人それぞれ異なります。
快活なインナーチャイルドもあれば、そうでないものもあります。
親切なインナーチャイルドもあれば、そうでないものもあります。
成長に大きく関係するのが家庭です。
この世の社会では、疎まれ批判されバカにされることは日常茶飯事です。
それを変えることはほとんどできません。
しかし、家庭で愛され認められ褒められてきたインナーチャイルドは、冷たいこの世の中でも自信を持ち、たとえ心を傷つけられても、その傷を最小限に抑えることができます。
なぜなら自分を確実に受け入れてくれる安心できる場所があるからです。
そこに戻れば傷を癒やしてくれることを知っています。
家庭で十分に愛されたインナーチャイルドは、対人関係で問題を抱えることがほとんどありません。
一方、もしその家庭が外部の世界と同じく冷たいものであればどうでしょうか?
インナーチャイルドは休み場を見つけることができず、常に不安をいだき卑屈になります。
外の世界で傷つけられ、帰ってきても本来なら慰めてくれるはずの家庭の中でも傷つけられるのです。
どこにも居場所がありません。
そんなインナーチャイルドは十分に成長することができず、傷を癒やすこともできず、ただ恐怖にブルブルと震えます。
そんなインナーチャイルドを持った人の中には、本当の自分を表現することを恐れ、それを隠すために、虚勢を張り人を攻撃する傾向を強める人がいます。
本当の自分を隠すために人を攻撃する
インナーチャイルドを家庭で十分に育てることができなかった人は、外見の自分と内面の自分にギャップを感じています。
その人は癒やされない傷を負っているインナーチャイルドを隠そうとし、虚栄を張ります。
このタイプの人はインナーチャイルドがこれ以上傷つかないようにするため、自分が傷つく前に相手を傷つけようとするのです。
人をバカにし攻撃することにより、安心感を得ようとします。
そこに自分の存在価値を見い出そうとします。
高慢な態度を取り、できるだけ自分を賢く偉大に見せます。
自分より劣っていると思える人をバカにし、自分より有能と思う人には卑屈になり批判します。
自分より弱そうな相手を選び、その相手が何も反論・反抗してこなければ、安心感を抱き高圧的な態度を取り続けます。
そうやって、心の中にあるインナーチャイルドが十分成長していないことを他人に知られないようにするのです。
しかし本当は自分の虚栄がいつバレるのかと内心ビクビクしているのです。
こういうタイプの人にはいくつかの特徴があるので、それを紹介します。
虚栄を張り人を攻撃するタイプの特徴
口では大きいことを言うが実質が伴っていない
このタイプの人は、自分を大きく見せようとする傾向があります。
そのため、自分の力量を超えていることでもそれができると言ってみたり、大きな将来の夢を語ったりします。
一種のロマンチストとも言えます。
しかし、実際にはそれを実現させるために必要な準備や訓練、計画を立てているわけではありません。
自信過剰というより自己過信と言うほうが合っているでしょう。
自分には能力があるが機会がないだけだとうそぶく
上でも述べたように、このタイプは自分を過信しているので、出世できないのは自分のせいではなく周りの目が節穴だからと考えます。
機会さえ与えられたら能力を発揮できると考えます。
そのため、そのポストに求められるであろう資質を身につける努力を払いません。
既にその資質を持っていると思っているからです。
努力することは自分を低めることであり、能力のある者がすべきことではないと考えます。
権威を持っている人を毛嫌いし批判する
自分より権威がある人が嫌いです。
自分を大きく見せることができず、小さくならざるをえないからです。
堂々と渡り合う自信がないため面と向かって歯向かうことはしませんが、その人のいないところでは批判します。
そのため、社内では上司との折り合いが悪く、衝突を繰り返します。
その原因が自分にもあるとは思わず、自分を認めない相手が悪いと考えます。
自尊心の低さを隠し決して本心を明かさない
虚栄を張るのは自尊心が低いからです。
インナーチャイルドが十分に育っていないため、本当の自分には自信がありません。
心のなかにいる触れば壊れるようなガラスみたいな自分を他人に知られることを極度に恐れます。
ですから、決して自分の本心を明かすことはありません。
虚栄を張り人を攻撃するタイプに出会ったら
虚勢を張り人を攻撃するこのタイプは、実のところ内心はビクビクしています。
このタイプからバカにされても、それを真に受ける必要はありません。
自分の未成熟なインナーチャイルドを守りたいがために攻撃しているのだと思ってください。
相手の心の中を見透してください。
そこには恐怖におびえた小さな子どもがいるのです。
その存在を隠そうとして、あなたをバカにしたりこき下ろしたりするのです。
そう思えると、目の前にいる人は実はかわいそうな人なんだなと思えるようになります。
心の中にいるインナーチャイルドを知られないように必死なんだなと思えるようにもなります。
もちろん、だからといって相手のしていることが許されるわけではありません。
しかし、こういう見方ができるかできないかで相手に対する対応も大きく変わります。
虚栄を張り人を攻撃するタイプにできること
できることは、相手を安心させることです。
ありのままの自分を出しても構わないという安心感を与えてあげることが必要です。
もしそれができるなら、相手の態度は大きく変わる可能性があります。
- よく話を聞いてあげる
- よく褒めてあげる
少なくともこの二つを粘り強く行ない続けるなら、変化する可能性が大いにあります。
よく聞いてあげる
よく聞くとは、無批評・無批判で聞くことです。
これは難しい技術ではありませんが簡単なことでもありません。
時間がかかりますが、努力するだけの価値はあります。
よく褒めてあげる
ほめることは、私たちすべてに必要です。
特にインナーチャイルドが十分発育していない人には、切実に必要なことです。
ほめるとは、ねぎらう、賞賛する、感謝することが含まれます。
相手がしていることをよく観察し、ほめることのできる点を探してください。
そしてそれを口に出してください。
最初はそうされることを嫌がるかもしれません。
しかしそれはただ慣れていないだけです。
嫌がる素振りを見せてもそれを続けるなら、相手の心は少しずつあなたに対して安心感と信頼感を抱き始めるでしょう。
あなたの前では本当の自分(未成熟なインナーチャイルド)を見せてくれるようになります。
そのとき、決して笑わない、バカにしないでください。
ありのままの自分を出そうとしたその人を受け入れてあげてください。
そうすれば、相手とあなたとの関係はさらに良いものになるでしょう。
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