生活に生きづらさを感じている人の中には、人を許すことは難しいという人が少なくありません。
誰にとっても自分を傷つけた人を許すのは難しいことですが、それができるかできないかでリラックスした人生を送れるかが決まります。
人を許さないとどうなる?
自分を傷つけた人を許すという考えそのものに違和感を感じる人がたくさんいます。
傷つけられたことを忘れるなんて絶対にできない、という人もいます。
しかし、私たちが考える以上に人を許さないという行為は身体に悪影響を与えます。
誰かに傷つけられたことをずっと忘れないでいるとは、心にそれを溜め込むことです。
怒りや憎しみなどの感情を身体に溜め込むことです。
そうした感情を持ち続けると、感情的・精神的なバランスを崩しやすくなるだけでなく、ストレスによって高血圧や胃潰瘍などに悩まされたり不眠症を抱えたりすることもあります。
女性なら肌艶がなくなり、化粧ノリも悪くなります。
人を許さないという行為は、ちょうど重い荷物をずっと持ち続けるのに似ています。
最初は問題なくても、15分くらいもすればどんどん手が疲れてきますし、1時間や2時間持ち続けることは至難の業でしょう。
またその荷物は重いわけですから、多分両手で持っていることでしょう。
それが現実のものなら、荷物で両手が塞がっているので他にしたいことがあっても何もできません。
体力は奪われ、精神もつらくなります。
人を許さないとは正にこういうことです。
そのことにばかり目がいき、やらないといけないことがあっても手につかなくなります。
自分が生活をコントロールしているのではなく、怒りや憎しみといった感情に自分がコントロールされてしまっているのです。
感情に振り回されているので、極度に疲れ、ストレスが溜まります。
傷つけられたらそれを忘れないというのは一見人間の本質のように見えますが、実はそうではなく、自分自身に多くの害を与える以外の何物でもありません。
仕返しをすればスッキリする?
さらに悪いことに、忘れないでいるとチャンスを見つけて仕返しをするでしょう。
もしかすると仕返しをするために忘れないでいると言ったほうが正解かもしれません。
仕返しと聞いてすぐに思い浮かぶのは相手を殴ることかもしれませんが、実際にそれを行動に移すことはほとんどありません。
しかし、別の方法で仕返しをします。
無視すること、悪い噂を流すこと、協力しないことなど、考えつくものがあれば何でもします。
ただ残念なことに、仕返しをして気持ちが良くなるのはほんの一瞬であって、そのあとは憂うつな気分を味わうだけです。
リラックスした人生を送るには、自分の心の負担になっている重荷を取り除かなくてはいけません。
どうすれば怒りや憎しみといった感情に自分が飲み込まれてしまうのを防げるでしょうか?
自分の気持ちを書き出す
マイナスの感情を溜め込まないためには吐き出すことが必要です。
しかし、感情に任せて吐き出すのはよくありません。
たとえばノートに書き出すと仮定するなら、そのノートにマイナスの感情を書き並べても意味はありません。
それはかえって気持ちを暗くさせ、ネガティブな感情を生み出します。
書き出す目的は許すためです。
まず書き出すのは、自分が傷ついた状況です。
そして、なぜそれに傷ついたのか、その理由を書き出します。
そのとき相手にどうしてほしかったのか、相手に対する期待や希望を次に書き出します。
これらのことを書き出すと、自分がなぜ相手に恨みや怒りの気持ちを持ったのかが客観的に分かってきます。
状況を客観的に見ることができるようになったら、幾分気持ちも落ち着いていることでしょう。
それで、最後に「わたしはこの人を許そう」と書いてノートを閉じます。
許すとは忘れること、気にしないことです。
人を許せばどうなる?
心のなかにある重荷を取り除くと、生きづらさの原因となっている人間関係に改善が見られます。
交友の幅を広げることができ、人と一緒にいるとき笑顔が増えます。
生活に笑顔が増えると、気の合う人がさらに寄ってきます。
人を許せる心を持った自分に自信が持てるようになり、自尊心が高まります。
人を許せば、このようなお金では買えない価値のあるものが自分に返ってきます。
「言うは易し、行うは難し」ですが、生きづらさを克服するための一つの方法として、いま一度この分野に目を向けてみてください。
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