ベンチャー企業って、どんなイメージがありますか?
勢いがある、明るい、やる気に満ちている、不安、倒産しやすい、人によっていろいろですね。
ベンチャー企業に向いている人、向いていない人っているのでしょうか?
いまベンチャーで働くことを考えていないとしても、どんな人がベンチャー企業に向いているのか知っていたら、将来の転職活動に役立ちます。
多くの人のベンチャー企業に対するイメージ
仮にベンチャー企業に勤めたいと家族や友人に話したら、どんな反応が返ってくるでしょうか?
「そんなとこで働いて将来大丈夫?」というのが大方の反応でしょう。
「大手で働いたら?」と言われるかもしれません。
いつ潰れるか分からないところで働いたら人生を棒に振るんではないか、と心配する声が聞こえてきます。
特に親であれば、安定しているところで働いてほしいと思っています。
すぐに潰れるのではないか?
ベンチャー企業に対して抱く最初のイメージは、すぐ潰れるのではないか、でしょう。
日本は欧米諸国に比べて起業に対する意識は高くなく、それを後押しする風潮もありません。
「起業しても失敗するだけだ」と決めつけてしまっている節もあります。
実際、大手と言われる会社でも倒産の憂き目に遭っているこのご時世、ベンチャー企業も淘汰されます。
売り上げの伸びに利益が伴わなかったり資金がショートしたりする可能性は高く、会社としての組織体系も不安定で経営陣の不仲が原因で空中分解することもあります。
取引先との信用を築くのにも時間が必要で、ちょっとしたミスや風評被害で取引が中止になることなどよくあることです。
着実に成長を続けるベンチャー企業も確かにありますが、全体としては「ベンチャー企業はすぐに潰れてしまう」という懸念は当たらずとも遠からずと言えるでしょう。
ですから、求職者は成長を続けるベンチャー企業を見つける目を持たなければなりません。
ブラックが多いのでないか?
次によくある疑念は、ブラックが多いのではないか、です。
事業を始めたばかりの企業が、スタートアップに多くの力を注ぎ込むのは当然です。
そのため社長をはじめ、一緒に働く人が夜遅くまで仕事をすることになるでしょう。
休日返上もあり、自分の時間というものがなかなか取れないということもあるでしょう。
そうなると、確かに「ブラック」に見えてしまいます。
ただ、ブラック企業というのはベンチャー企業特有のものではなく、大手と言われる会社でも結構ブラックなことをしているのは、既に周知の事実です。
会社がブラックかどうかは時間的な要素というより、そこで働く人がどんな気持ちで働いているかが大きく関係します。
大手で安定している企業であっても、従業員の目が死んでいて仕事を喜んでしていないなら、その従業員にとってはその会社はブラックです。
逆に、ベンチャーに入社したため仕事に多くの時間を費やしているが、そこにはやりがいや期待があって能動的に動いているのであれば、その人にとってその会社はブラックではないでしょう。
大手かベンチャーか?
ベンチャーは大手に比べると将来性が見えにくい部分がありますが、一人ひとりの裁量権が大手より大きい部分もあります。
そうした自由度の大きさゆえにベンチャーに興味を持ち、そこで働いてみたいという意欲を持っている人は一定数存在します。
では、自分がベンチャー企業に向いているかどうか確かめてみましょう。
ベンチャーで働くことが可能な人は?
どんな人でもベンチャー企業で働けるというわけではありません。
自分は以前大手で働いていたから規模がそれより小さい企業なんてまったく問題ない、と安直な考えを持っている人がもしいるなら、痛い目に遭います。
大手とベンチャーでは、働き方もモチベーションも異なります。
ベンチャーで働ける人とはどんな人でしょうか?
仲間意識が強い
ほとんどのベンチャー企業は経営陣と従業員の間の垣根が低く、フランクに付き合い、みんなで一丸となって前に突き進むというスタイルです。
社員数も少ないので、疑似家族のような集団と言ってもいいかもしれません。
一人が困っていたら皆で助け、そのためには多少の犠牲も気にしません。
思いやりの精神、助け合いの精神を大切にします。
ベンチャーで働きたいなら、仲間意識を強く持ち、互いが互いを支え合っているという雰囲気に溶け込める人でなければなりません。
精神的タフさがある
人数も少なく、仕事が大手ほど分業化されていないことも多いため、一人で何役もこなすことが求められます。
それをこなせるだけの精神的タフさが必要です。
経営陣に明確なビジョンがあり、それが一つ一つ達成されているのが分かれば、仕事量の多さは負担ではなくやりがいになります。
会社に貢献しているという実感がダイレクトに味わえるのがベンチャー企業の醍醐味です。
ただ注意をひと言。
忙しいことはうれしいことですが、時には自分の能力と仕事量の多さを比較し、それが能力を明らかに超えている場合、自分ひとりで抱え込まず、仲間に助けを求められるような人でもあるべきです。
仲間に迷惑をかけるからと仕事をどんどん請け負ってオーバーワークで倒れるなら、結果的にそちらのほうが迷惑をかけてしまいます。
仲間を助けるという意識を持つだけでなく、仲間に助けてもらうという相互関係を忘れないようにしましょう。
忙しく動いていても心に余裕や遊びがある人はベンチャーでも働いていけるでしょう。
それも精神的タフさの一面です。
進取の気性がある
仕事を待っているだけでなく、自分から仕事を作り出せる人が重宝されます。
今ある仕事にさらなる改良・改善を加えるアイデアを提案できる人になりましょう。
もちろん提案したからといって、それがすべて採用されるわけではありません。
たとえ自分では良いと思ってもみんなの賛同が得られないなら、それを受け止める謙虚さが必要です。
アイデアを出している間は思考を働かせて仕事をしているわけですから、自分のスキルアップにもつながります。
このような進取の気性は、とりわけ大切です。
困難に立ち向かえる
企業の成長期は、仕事上のトラブルが日々起こります。
それら突然起こるトラブルを自分が成長する機会と見て、前を向いて走れる人は仕事を楽しめます。
「会社と一緒に自分も成長するんだ」という意気込みのある人です。
毎日を平穏にトラブルなく過ごしたいと思っている人には、ベンチャー企業をおすすめできません。
楽観的である
たとえどんなに努力してもうまくいかないことがあります。
倒産してしまうこともあるでしょう。
そうした不安定要素を飲み込める人、「今回ダメでも次があるさ」と言える人、「これも自分の人生の一部だ」と楽観的にとらえることができる人はベンチャーに向いているでしょう。
ヒューマンスキルが高い
人が多い職場の場合、気が合わない人がいれば、その人を避けて一日を過ごすということもできないことはないですが、小人数のベンチャー企業ではそうもいきません。
毎日その人と向き合う必要があります。
ですから、すべての人とうまく付き合っていけるだけのヒューマンスキルが求められます。
一人ひとりが持つ影響力が半端ないですから、自分の殻に閉じこもる傾向のある人やすぐに相手の動機を疑ってかかる人などはしんどいでしょう。
ベンチャー企業で働きたいなら、以下のような人間性を身につけておく必要があります。
近づきやすい
自分から相手に近づき、自分をオープンにできる近づきやすさ、これがまず第一です。
「この人は何を考えているのか分からない」と周りから思われてしまうなら、社内で孤立してしまいます。
わたしたちは本能的に、自分が理解できないものに警戒心をいだきます。
ですから、仲間に対して自分の弱いところやまだ十分成長していないところも見せることができる心の謙虚さが求められます。
心の謙虚な人に反感を抱く人はいません。
思いやりがある
仕事に燃えること自体は悪いことではなく、その熱意は褒められるべきものですが、往々にしてその熱意が仕事そのものではなく人に向かってしまうことがあります。
自分の熱意に相手が同調していないように思えると、意識が低いとかやる気がないと判断しがちです。
しかし同僚も同じ会社で働いているわけであり、会社に貢献しようと熱意をもって仕事に取り組んでいるはずです。
表わし方や熱量が違うだけということを認め、要求的にならないようにしましょう。
画一的な行動を求めるのではなく、皆それぞれ背景や抱えている事情が違うことを理解し、それを思いやることができるようでなければなりません。
それをなおざりにすると、「ブラック」のレッテルを貼られてしまいます。
自分の仕事はきっちり果たし、周りの人には思いやりを示せる人になりましょう。
相手を許せる
人が一緒に仕事をする以上、いざこざが起きるのは必然です。
大事なのはいざこざを起こさないというより、起きたときにどう対処するかです。
いざこざは放っておくこともできますが、それは表面的な解決に過ぎず、表面下では怒りがまだくすぶっている状態です。
そんな状態は状況が整えばまた発火します。
ですから、いざこざは起きたらすぐに解決する、自分が悪いと思えばすぐに謝る、相手が謝ったらすぐに許す、こうした感情の整理をきちんとできることが大切です。
今日のわだかまりを明日まで引きずらない、陰口を叩かない、揚げ足を取らない、人間関係におけるこうした基本をしっかり守ることは、小人数で仕事をまわすベンチャー企業には特に求められます。
利己的ではない
最後に、これは究極といえるものですが、利己的でないことです。
自分の利益のために仲間を利用しない、保身のための嘘をつかない、派閥を作らない、日和見主義にならない、こうしたヒューマンスキルがあるなら、快適なワークライフを送ることができます。
先ほども述べましたが、仲間のために犠牲を進んで払える精神を持っている人はベンチャー企業でやっていけるでしょう。
ベンチャー企業で働いてみる?
ベンチャー企業に自分の身を預けて働くのは、勇気のいる選択です。
しかし、自分のやりたことがそこにあるなら、その会社の経営理念や姿勢に同調できるなら、働いてみる価値は大いにあるでしょう。
もしかすると、あなたがそこで働くことによって会社が大きく成長・発展するかもしれません。
そんな期待も持たせてくれるのがベンチャー企業です。
あなたはベンチャー企業に向いている?それとも向いていない?
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