人生を不幸にする完璧主義者にならないために


完璧主義は人を不幸にします。

なぜこの考え方が不健全なのか、どうすればこの考え方を変えられるのか考えてみましょう。

完璧主義チェック

人生で最も重要なことは一番になることですか?

努力をするのは人からよく思われたいからですか?

失敗したくない気持ちが強いですか?

失敗するくらいならしないほうがマシと思いますか?

ほかの人と自分を比べる傾向がありますか?

立てた目標に到達できないと自己嫌悪になりますか?

ほかの人と同じことをしても意味がないと思いますか?

どんなに頑張っても自分のしたことに満足できませんか?

批判されるとやる気がなくなり途中で投げ出してしまいますか?

人に仕事を任せることができないと思っていますか?

人に任せるより自分でやったほうがうまくいくと思っていますか?

他人の欠点によくイライラしていますか?

自分ができるレベルをほかの人に要求する傾向がありますか?

もしこれらの質問に対して「はい」の答えが多いなら、あなたは完璧主義の傾向があります。

完璧主義の弊害

完璧主義とは到底到達できない高い目標を立て、それを満たそうと必死になることと言えます。

完璧主義者になると以下のような弊害が生活に出てきます。

満足できない

完璧主義者はどれだけ質の高い仕事をしたとしても決して満足できないので幸福になれません。

常にできていないところを探し続け、自分はレベルの低い人間だと卑下します。

自分の能力の限界を越えてまで頑張ろうとするので燃えつきやうつを患う人もいます。

あきらめグセがついてしまう

完璧主義のもう一つの弊害はあきらめグセがついてしまうことです。

最初は努力しても自分の立てた目標に到達できないように思えるとこれ以上やっても無駄だと感じ努力をやめてしまいます。

途中で投げ出してしまうため、到達できたかもしれないレベルにも到達できず、何をやっても上手くできないという、これもまた自己嫌悪をもたらす結果になります。

失敗を恐れる

完璧主義者は何事も完璧にしないといけないという考えにとらわれているため、人前で恥をかくことを極度に恐れます。

そのため、例えば語学のように失敗しながらでないと学べないものを勉強しても、恥をかきたくないため人と話すことができず進歩が遅くなります。

慎重という言葉に置き換えると表現はいいのですが、自分の気持ちを伝えたいときにもどう話せば上手に相手に伝わるかを考えすぎてタイミングを逸することも少なくありません。

人にどう思われるかを心配する

完璧主義者の最大の特徴とも言えますが、人の目を大変気にします。

自分は人からどう思われているのだろうか、バカにされていないだろうか、こんなことをしたら笑われないだろうか、こんなレベルの人間なのかと見られていないだろうかなど、人からの評価を大変気にします。

人とうまくやっていくのが難しい

完璧主義者は友人にも完璧を求めます。

完璧な受け答え、完璧な対応を求めます。

しかしそのような人間などいないので、ある程度の時間が経つと相手に失望するようになります。

欠点や間違いが気になり、それを見過ごしたり許したりすることができません。

ついついキツいことを言ってしまい、そのため彼らは離れていきます。

ほかにも相手の能力以上のものを要求して、知らず知らずに精神的に追い込んでしまうこともあります。

自分よりできる人がいると簡単に妬みます。

どんな人が完璧主義になりやすいか?

完璧主義者は完璧でなければ人から認められないという考えが根底にあります。

これには家庭環境が関係していると考えられます。

親の期待に応えるよう求められてきた

親が子どもに期待をかけ、子どもの前にいつも高い目標を置き、それに到達するよう強く勧め、それに達成することによって承認を与えてきた家庭があります。

一つ到達できればまた次の目標を立て、そこに終りがありません。

もし到達できなければ褒めてもらえず、かえって叱られたり責められたりします。

このように育てられてきた人は、人から認められるには高い目標をクリアしていかなければならないという一種の強迫観念を持つようなります。

そして大人になった後も常に目標がないと落ち着かず、目標を達成することによって承認欲求を満たそうとします。

目標に到達することが目的になってしまい、到達した結果を振り返り、その結果に満足するという振り返りの時間を持つことがありません。

こういう生き方は、目標に到達できない自分は存在価値がないという考えにとらわれやすく、常に上へ上へというプレッシャーを持ちながら生活しなければならなくなります。

他人と比較されてきた

他の人と比較されて成長してきた人も完璧主義の傾向をもちます。

いくら努力して頑張っても、「あの子はもっとできるからあの子のようになりなさい」と言われます。

そのような教育を受け続けると、自分に備わっていないものに価値があると考えるようになり、自分がすでに持っているものの価値を認めにくくなります。

そのため、常に自分には何かが欠けているという気持ちと闘い、自分にないもののために頑張るという決して満足感が得られない人生の走り方をして疲れ果ててしまいます。

失敗することを許されなかった

家庭で失敗することを許されなかった場合も完璧主義になる可能性があります。

しつけが厳しく、親が正しいとすることに違反したらきつくとがめられました。

家族の名を守ることが個人の個性よりも優先されてきたため、どうすれば失敗しないかばかり考えるようになり、自分を自由に表現することができなくなりました。

完璧主義をどのように捨てるか

完璧主義は人を不幸にするだけなので、思考の書き換えをしなければなりません。

長い間染み付いた考えを変えるには繰り返しの努力が求められますが、完璧主義を捨てるなら心は安らかになり、イライラは減り、気持ちは楽になって生活が楽しくなります。

失敗も人生の一部

失敗してはいけない、これが完璧主義の根本原因です。

しかし絶対失敗しない人などいるでしょうか?

一人もいません。

どんなに努力しても決してできないことにこだわると幸福になれません。

人生は一度の失敗も許されないのでしょうか?

失敗して笑われたなら、それは失敗したあなたが悪いのでしょうか、それとも人の失敗を笑う相手が問題なのでしょうか?

ゴルフボールはデコボコがあるほうがよく飛ぶ

今のゴルフボールはデコボコ(ディンプル)があります。

調べてみると、当初は表面がツルツルのボールを使っていました。

しかし、ツルツルのボールは使えば使うほど飛距離が伸びるという現象が起きました。

それらのボールにはキズがついていました。

そのためキズがあるほうが飛ぶのではないかということになり、初めからボールにキズをつけて使うようになったというのがディンプルの始まりと言われています。

ディンプルがあるほうが揚力が増し、ボールを後ろに引っ張ろうとする空気抵抗が小さくなることが科学的にも証明されています。

これを人に置き換えてみると、人生におけるミスや失敗はディンプルのようです。

ディンプルだけに注意を向けると、表面がツルツルのボールよりは見た目が悪いかもしれません。

しかし人生という長い物差しで見てみると、ミスを全くしない生き方よりも少々ミスをしながら生きていくほうがより飛躍できると考えてみることができます。

失敗や挫折は人生の終わりなどではなく人をより大きく成長させてくれるチャンスなのです。

ですから、失敗を恐れて何もしないよりかは失敗してもいいからとにかくやってみるほうが得られるものは多いのです。

自分にはできないこともある

なかなか認めるのは難しいことですが、人にはできても自分にはできないことがある、このことを潔く認めることが心を安定させる秘訣です。

それを認めることは人生の負けでもなんでもありません。

人には得手不得手が必ずあるという現実に即した見方が持てるようになるなら、できないことが増えるのではなく、できることが増えていきます。

自分が今持っているものを大切にするようになるからです。

自分が今持っているものを大切にする

人は自分にないものにこだわると決して幸福になれません。

幸福になるには、自分がすでに持っているものに目を向ける必要があります。

自分が今持っている立場、能力を過小評価しないようにしましょう。

今の立場や地位でやるべきことを最大限頑張ってみましょう。

そして自分が何かをやり遂げたなら自分を褒めてあげてください。

決して、「こんなことは大したことではない。だれでもできる」とは思わないようにしましょう。

成し遂げたことを自分の記念とし大切にしてあげてください。

こうした気持ちが人を幸福にします。

幸福は自分の外にあるのではなく中にあるのです。

人の目を気にしない

人の目を気にするということは、人にあなたの人生のたずなを預けていることにほかなりません。

あなたは人に支配されたいですか?

そんな人生は楽しいでしょうか?

他人の目を気にしたところで、自分の人生にどれだけの得があるのでしょうか?

ほとんどの場合、一文の得にもなりません。

他人の目を気にする前に、自分の良さを探しに行きましょう。

自分の良いところを出しさえすれば、それを受けて入れてくれる人は必ずいます。

「自分にはいいところが一つもない」と思っているなら、それはこれまでの人生でウソを教え込まれてきたのです。

「お前は役立たずだ。できそこない。」

もし親からこのような言葉を言われ続けてきたのなら、親はウソをついてきたのです。

この面で親の言うことを信じる必要はまったくありません。

あなたにはあなたらしさを特徴づける良いものがたくさんあるのです。

あなたの良さはほかの人のそれとは異なります。

たとえば、熟したりんごとバナナとではどちらが優れているのでしょうか?

両方とも優れています。

両方とも何も劣っていません。

それぞれにそれぞれの良さ、異なる味わいがあります。

あなたの持ち味も同じです。

他の人と幾分異なっているとしても、それはあなたがほかの人より劣っているということではなく、ただ味わいが違うだけなのです。

ですから、人の目を気にする人生を歩むよりも自分の持ち味を存分に発揮する人生を歩んでください。

完璧主義を捨てると・・

完璧主義を捨てると、ほかの人の間違いや欠点をおおらかに見ることができるようになります。

自分の失敗も過度に卑下することがなくなります。

自分の良さが分かってきます。

自分を褒めることができるようになります。

心が安定し、生活にゆとりができます。

笑顔が増えます。

一朝一夕にはいきませんが、思考の書き換えを繰り返し行なって完璧主義から脱出しましょう。

人生を楽しみましょう。


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